図書カード:遠友夜学校校歌

作品名: 遠友夜学校校歌
作品名読み: えんゆうやがっこうこうか
著者名:
有島 武郎 

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作品データ

分類: NDC 911
作品について:  遠友夜学校とは、新渡戸稲造が札幌に設立した、勤労青少年に無料で学びの場を提供する夜学校である。当時、小学校教育はすでに義務化されていたが、生活のために働いていて学校に通えない子どもも多かった。昼間は家計を助けるために働き、夜、この遠友夜学校に集まり、50年間で約5000人が学んだという。授業料は無料、教科書など教材もすべて学校側が用意し無償で提供した。夜学校の教師は、新渡戸稲造の友人や札幌農学校の学生など有志がつとめた。
 有島武郎は、この遠友夜学校に札幌農学校の学生であったときからかかわっていた。熱心な教師の一人で、夜学校の行事には極力時間を割いて参加し、生徒からは兄とも父とも慕われた存在であったという。有島武郎は明治42年1月から大正4年3月までの間、遠友夜学校の代表をつとめ、校舎の改修増築に奔走したり、夜学校の資金を道庁から助成してもらうことに成功している。
 一身上の都合により札幌を離れたため、遠友夜学校の代表を辞めたが、その後も終世、維持会員の一人として多くの金を寄附し物的に援助したばかりでなく、札幌に来ると必ずこの夜学校を訪れて教師や生徒たちへ言葉をかけ、彼らの精神的な支えでありつづけた。
 この遠友夜学校の校歌と奨励歌は、有島武郎の作詞であるといわれている。
(mono)
文字遣い種別: 新字旧仮名
備考: 「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の表記をあらためました。

作家データ

分類: 著者
作家名: 有島 武郎
作家名読み: ありしま たけお
ローマ字表記: Arishima Takeo
生年: 1878-03-04
没年: 1923-06-09
人物について: 1878年3月4日、東京小石川水道町に生まれる。東北帝大農科大学で教鞭を執るかたわら、1910年「白樺」に同人として参加。『かんかん虫』『在る女のグリンプス』などを発表する。1916年、結核を病んでいた妻が死に、さらに父が亡くなったことから教鞭を辞し、本格的に文学生活に入る。『或る女』『カインの末裔』『生れ出づる悩み』などが代表作。1923年6月9日、人妻の波多野秋子と軽井沢の別荘浄月庵にて情死。
wikipediaアイコン有島武郎

底本データ

底本: 有島武郎全集第一巻
出版社: 筑摩書房
初版発行日: 1980(昭和55)年8月30日
入力に使用: 2001(平成13)年6月10日初版第3刷
校正に使用: 2001(平成13)年6月10日初版第3刷 
底本の親本: 有島武郎全集第一巻
出版社: 叢文閣版
初版発行日: 1924(大正13)年4月5日

工作員データ

入力: mono
校正: 染川隆俊