図書カード:築地の川獺

作品名: 築地の川獺
作品名読み: つきじのかわうそ
著者名:
田中 貢太郎 

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作品データ

分類: NDC 913
作品について: この文章の前置きには、小泉八雲の怪談にのっぺらぼうの川獺のことがあると書かれている。しかし正しくは、小泉八雲の作品では、のっぺらぼうは狢のしわざということになっており、田中貢太郎自身も、同じ話を『狢』という題名で再話している。もっとも、のっぺらぼうの話は、落語では川獺のしわざであるとして古くから親しまれている。あるいは、もしかすると田中貢太郎の時代には、のっぺらぼうは川獺のしわざであるという考えのほうが、狢のしわざであるという考えよりも一般的であったかもしれない。それはともかく、この作品は、築地にいる川獺が人を化かしたという伝説を書きとめたもので、小泉八雲の赤坂の話よりもずっと素朴な内容であるが、川獺の悪戯を恐れる歌妓たちの描写が、古い時代を思わせてほほえましい。(Hiroshi_O)
文字遣い種別: 新字新仮名
備考:

作家データ

分類: 著者
作家名: 田中 貢太郎
作家名読み: たなか こうたろう
ローマ字表記: Tanaka Kotaro
生年: 1880-03-02
没年: 1941-02-01
人物について: 高知市生まれ。小説家、随筆家。漢学塾に学び、代用教員、高知実業新聞社の記者を経たのち上京。大町桂月、田山花袋、田岡嶺雲に師事。明治四十二年、嶺雲の『明治叛臣伝』の執筆に協力したのを機会に、やがて『中央公論』の「説苑(ぜいえん)」欄に情話物、怪談話などを掲載するようになる。作品は紀行文・随想、情話物、怪談・奇談などからなり、代表作には『田中貢太郎見聞録』『旋風時代』『日本怪談全集』『支那怪談全集』などがあげられる。
wikipediaアイコン田中貢太郎

底本データ

底本: 伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典
出版社: 学研M文庫、学習研究社
初版発行日: 2003(平成15)年10月22日
入力に使用: 2003(平成15)年10月22日初版
校正に使用: 2003(平成15)年10月22日初版
底本の親本: 日本怪談全集
出版社: 改造社
初版発行日: 1934(昭和9)年

工作員データ

入力: Hiroshi_O
校正: noriko saito