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つかれ
漢那浪笛
淋しき夜の音づれ、
つかれし眼にうつり
わなゝき震ふ心は、たゆむ隙なく、
あるかなきかの影にも似たれ。
青める星の
空
(
そら
)
より、
涙に
にじむ
曲
(
ふし
)
を、地になげかわす、
そはわれに、
耳そばだてゝ聞けとや
···
···
···
···
つかれし心に、何をかきかむ、
願ふは、眼の光をとざし。
淋しき夜の音づれ
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闇のかほりを、すはむと思ふ。
底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩
」国書刊行会
1991(平成3)年6月6日第1刷
初出:「沖縄毎日新聞」
1911(明治44)年6月1日
※初出時の署名は「浪笛生」です。
※初出の新聞で作品名として扱われている「つかれ」を表題としました。
※表題は、底本では「南の友へ【一】」の見出しのもと、5字下げて2行取りの横罫の下に記載されています。
入力:坂本真一
校正:良本典代
2017年3月11日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)
で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
●表記について
このファイルは W3C 勧告 XHTML1.1 にそった形式で作成されています。
「くの字点」をのぞくJIS X 0213にある文字は、画像化して埋め込みました。
●図書カード