いぬさん と おねこさん が ストーヴ に あたりながら ハイカラな ゑほん を みて ゐました。
いぬさん が まうしました。
「ぼく は なぜ こんな ハイカラな 犬 に うまれなかつたんだらう。このちぢれた毛 は どうだ」と じぶん の みじかい毛 を ひつぱりました。
「ああ あたし は どうして この ペルシヤねこに うまれなかつたんでせう。この 大きな 目

二人 は がつかりして しまひました。が、ストーヴ の 火 が あんまり あたたかかつたので ねむつて しまひました。
おしやうがつ ぐわんじつ の ばん のことで ありました。
おねこさんが散歩してゐました。
風が吹いてきて、お
そこへ犬さんがやつてきて、二人で川のそこにしづんでゐるかたかけをみつけました。
「いぬさん。あなたは水およぎができるんでせう? とつて下さい。」とおねこさんがいひました。いぬさんは、
「こんなにさむくちやあ、とれない。なつになるまで待たう」と、いひました。
それを見てゐた、あひるさんのおぢさんが、水の中にとびこんで、とつてくれました。
二人は、あんまりうれしくて、おれいもいはずに家にかへりました。
あひるのおぢさんは、ぶつ/\おこりましたが、のんきなおねこさんといぬさんは、それに気がつきませんでした。