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一ノ倉沢

松濤明




松濤明 単独

昭和十六年八月五日 晴

土合(五・一〇)|βルンゼ入口(六・四五〜六・五〇)|一ノ倉尾根(八・〇五)|βルンゼ入口(九・〇五〜九・二五)|Fバンド(一〇・〇〇〜一〇・一五)|稜線(一一・四〇〜一二・〇〇)|土合(一四・一五)


 第三ルンゼを目指してきたが、水に濡れてテラテラ光っているのが望見されたので、天日で乾くまでの暇つぶしに衝立前沢からβルンゼに入る。右俣を登ったが上部はかなり急でヌルヌルしており油断はならなかった。懸垂岩基部をトラバースして一ノ倉尾根に立ち、γルンゼを下降。滝はたいがい右を捲いて下る。βルンゼ入口に帰って、食事後衝立のスラブをトラバースして本谷F下のバンドへ出たが、第三ルンゼは相変らず濡れているのでザッテル越え滝沢に変更、Bルンゼからあっさり稜線へ飛び出す。






底本:「新編 風雪のビヴァーク」山と溪谷社

   2000(平成12)年3月20日初版第1刷

※表題は底本では、「一ノ倉沢[1941.8]」となっています。

入力:川山隆

校正:岡山勝美

2014年12月15日作成

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