昔は盲人に特別の位を与えたものである。よく何市、何市とあるが、あれも






昔春先きに小大名が京都に上ると、




平生は大して懐工合がいいわけではないが、春先きになると、大勢の人を雇ってそんな悪戯をしていたものだそうであった。
江戸あたりでは、








幕府の頃は日本では盲人の保護が非常に行き届いていて、音楽家の外に、針医にも位がついていた。同じ頃の西洋の盲人の話を聞くと、あちらでは盲人は乞食より外になかったそうである。
或る国などは、盲人を全然人間扱いにしなかった。そして、竹の垣を作って、その中に盲人と豚とを一緒に入れて、盲人に豚を捕えさせて、困っているのを目明きが見て喜んでいたという話があるが、それに比較すると、日本の盲人は幸福であったわけである。
今日では外国でも盲人に対して、保護を与えるようになり、中には大学を出た者もあるそうである。或る国などでは、盲人が四辻を通る時に、黄色の旗を持っていると、自動車でも何でも避けて行くそうである。また独逸あたりでは、盲人が犬を連れて歩くそうで、つまり犬が道案内を勤めるわけである。