新青年四月増大号一瞥。明るくなりました。笑いの分子が多くなりました。大分若くもなりました。「探偵雑誌とは
嚇しつけるもの」こう思っていた人もあったでしょうが、それを相当ぶちこわしました。
可成り
是迄は嚇し付けていたのですから、是からは笑わせた方が
可いでしょう。
尤も従来もこの雑誌には沢山ナンセンスが盛り込まれてあって随分笑わせてもくれましたが。
||色刷の口絵「王子様のお成り」どう見直したって愉快なものです。大胆なことをしたものだと、笑い
乍ら胆をつぶしました。が、創作や翻訳を全部見たのではありませんから、勿論その中には嚇し付ける作が、幾個かあることだと思います。それは
夫れとして萩原朔太郎氏の「死なない蛸」は素晴らしく可いものですね。「月に吠える」以来私は萩原氏の詩を愛読して居ります。