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手紙

安政五年七月頃 坂本乙女あて

坂本龍馬




(表面)

此状もつて行者ニ、せんの大廻の荷のやり所がしれん言ハれんぞよ。

(ママ)(男)のに物ぢやあきに、状が龍馬から来たけんどまちがつたと御いゝ可下候。

先便差出し申候しよふ婦(菖蒲)は皆々あり付申候よし、夫々(それぞれ)に物も付(着)申候よし、其荷は赤岡村元作と申候ものゝにて候。此状もちて行くものニて御座候。めしをたいてもらい候者ニて候。誠ニよき者故よろしく御取成可成下候。大いそぎにて候故、御すいりよふ(推量)/\。

此節は○がなく候故いけなく相成申候。私しかへりは今月の末より来初めにて候得共、御国へかへり候はひまどり可申と奉存候。又、明日は千葉へ、常州より無念流の試合(ばか)

(裏面)

申候。今夜竹刀小手(籠手)のつくらん故、いそがしく御状くは敷事かけ不申候。

かしこ/\/\
坂本龍






底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社

   2003(平成15)年12月10日第1刷発行

   2008(平成20)年9月19日第7刷発行

※底本手紙写真のキャプションに、(北海道浦臼町 前田寿子氏蔵)とあります。

※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。

※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。

入力:Yanajin33

校正:Hanren

2010年7月24日作成

2011年6月17日修正

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