私が
いぜんもつていました、
かくなじでかいた
烈女伝を、あれをひらがなになほして
ゑ入にて、そのゑと申は、本の烈女伝のゑのとふりなり。
誠におもしろし。私が
かなに
なをそふと兼ねてをもいしが、
夫を見てやめてしもふたり。夫を
(おまへさんになり)おくにへおくりたさにたづね候。けして今時の本やにはなきもの也。故にある女にたのみてかきうつさせより申候。其女と申はげにもめづらしき人、名は御聞しりの人なり。
どうぞ/\たのしみたまへ。その本のうつしたるれいとして、私しがうちでならひよりた、
いしずりのかくなじの
おりでほん (これはお前さんにあげておまへさんもならいよりた本なり。)夫を御こしなされ度、兄さんまで
ひきやくに御おくりなされ度候。またまた色

のものさし上候へども、夫は
おい/\なり。此龍が
おにおふさまの御身をかしこみたふとむ所よくよくに思たまへ。
皆火中なり。此よふな文、なきあとにのこるははぢなり。