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手紙

慶応元年十二月二十九日 印藤肇あて

坂本龍馬




昨日山口より中島四郎、能間百合熊、福原三蔵外要路の人山田宇右衛門とか申人被参候。いまだ咄合も不仕候所なれども、案ズルニ今日中ニ事すミと相成可申か、山口よりハ木圭(桂)小五郎よりも長※(二の字点、1-2-22)敷手紙参、半日も早く上京をうながされ候。然レ共此度の上京私一人外当時船の乗組一人位の事なるべくたれか京ニ御出しなれバ、はなはだつがふ(都合)宜(ママ)しかるべし。

一、山口の方へハ薩州人黒田了介と申人参居候故、此人とともニ桂氏ハ先日上京と承り候。其桂ニ諸隊の者人物とよバれ候人を七八名も同行致セしよし申来り候。

一、私しの船ハ正月二日三日頃出しも可仕か、いまだ不分明なり。

右よふ成行ニ候得バ其御心積なり。

廿九日
謹言※(二の字点、1-2-22)


印藤様

龍馬






底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社

   2003(平成15)年12月10日第1刷発行

   2008(平成20)年9月19日第7刷発行

※底本手紙の写真のキャプションに、(京都大学附属図書館蔵)とあります。

※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。

※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。

入力:Yanajin33

校正:Hanren

2010年7月28日作成

2011年6月17日修正

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