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手紙

慶応二年七月二十七日 木戸孝允あて

坂本龍馬




五大才(五代才助)にハ火薬千金(ばかり)云云頼置候。

一、小松、西郷などハ国ニ居申候。大坂の方ハ大久保(利通)岩下(佐次右衛門)がうけ持なりとて、彼レ両人の周旋のよしなり。

一、人数ハ七八百上りたりと聞ユ。

一、幕の翔鶴丸艦ハ長州より帰り、又先日出帆致し、道中ニて船を(洲)にのりかけて、今長崎へ帰りたり。

一、幕ハ夷艦を買入致す事を大ニ周旋、今又、二艘(ばかり)取入ニなるよふす(様子)

一、幕船たいてい水夫共何故にや、将の命令を用ひず。先日モ翔鶴丸ハ水夫頭及び其外十八人一同に(逃)げだし行方不知。

一、私共の水夫一人(随分気強キ者ナリ)幕船へのりたれバ(夫もまだたしかにハ知れず。)もし関の方へ行よふなる事なれバ、平(常)の幕船とはちがい候かもしれず、御心得可然哉、為之申上る。

七月廿七日
坂本龍馬

木圭先生

左右






底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社

   2003(平成15)年12月10日第1刷発行

   2008(平成20)年9月19日第7刷発行

※底本手紙の写真のキャプションに、(宮内庁 木戸家文書)とあります。

※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。

※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。

入力:Yanajin33

校正:Hanren

2010年7月28日作成

2011年6月17日修正

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