春猪どの/\、
春猪どのよ/\。此頃ハあかみちやとおしろいにて、はけぬりこてぬり/\つぶしもし、つまづいたら、よこまちのくハしやのばゞあがついでかけ、
をばてきのやんかんそふもこのごろハ、ちとふやり/\と心も定めかねをりハすまいかと思ふぞや。たいての

おまへハ人から一歩もたして、をとこという男ハ皆にげだすによりて、きづかひもなし。又やつくと心もずいぶんたまかなれバ、何もきづかいハせぬ。
けれども、是からさきの
私ももしも死ななんだらりや、四五年のうちにハかへるかも、露の命ハはかられず。
先

正月廿日夜
りよふより
春猪様
足下