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手紙

慶応三年五月七日 伊藤助太夫あて

坂本龍馬




追白、御案内の通り此度長崎ニ出候得バ、いかゞ相成候や不計候得バ、左の覚さし 舌代出し置候。


一、兼而(かねて)私ら両人の所ハ三印両兄聞取ニ相成、御家に止宿御頼申候事故、私両人生活の一事ハ一切上の両兄に御引合可遣候。

一、私方物好ニて他人呼入候て、費用在之分ハ、一切私方よりさし出し申候。(但月末/\ニ算用相立候。)

 もし又私方心付不申分ハ、御台所奉行より書付御さしこし可遣候よふ御頼申上候。

 且又、私方洗濯女など雇入候時ハ、其ノ飯料ハ通常旅人宿の時の相場の下等成方ニ算用仕度、此儀御役人中ニも御達可遣候。以上。

五月七日
龍 (朱印)

好茶翁先生

机下






底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社

   2003(平成15)年12月10日第1刷発行

   2008(平成20)年9月19日第7刷発行

※底本手紙の写真のキャプションに、(東京 伊藤家文書)とあります。

※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。

※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。

入力:Yanajin33

校正:Hanren

2010年8月26日作成

2011年6月17日修正

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