四月号の『新公論』に、「男性に対する要求」と題した、岩野清子女史の文章がある。実にあきれ返った名論だ。
「日本の男性は女性に対してあまり粗暴である。謹みをかいている。女性の前で猥※
[#「褒」の「保」に代えて「執」、U+465D、61-12]な話を好んでする傾きがある。
······英国あたりの紳士と言われる人々は、婦人の居る席では胸より下のことは決して口にしないそうである
······女性をして憤慨させあるいは醜恥心をおこさせる言語動作を謹んでもらいたい。日本服にあぐらをかいて脛や太股を出すような不謹慎なことのない様にしたい。女性に対する時、酔っていてもらいたくない。狎れ狎れしい態度や言語もつつしんでもらいたいと思う。
妻を呼ぶのに、オイコラなどと言う人がある。あれを持って来い、これをしまって置けなどとほとんど下女書生に対して言うのと同等な言葉使いをする夫がある。」
英国の偽善紳士をありがたがったり、妻を下女や書生と違うものと思っているところなどが、実に滑稽極まる。