こゝに機械の哲学者がある|||
彼は思考し、血潮の中に機械のどよめきをでなく、血潮と共に脈動する機械のリズムを感ずる
彼ははつらつたる工場の諧調を背負うて、齟齬しながら鈍重に歩いて行く
こゝに機械の哲学者がある|||
彼は技師を宣言し、一切に正面照明を送る
照明はゆかいに大大阪を漫歩する
機械にまで虚偽を造る資本の虚偽と、百万の労働の精神とを透過し
浮揚する二重性をもって、飢えた子供の胃のレントゲン絵にまで照入する
こゝに機械の哲学者がある|||
たしかに彼は巧みな限りにおいて危う気なく進む
だがわたしらをして提議せしめよ|||
現実を後にでなく
前に置こう!
前方をして常にかちうべき真実の生産であらしめよ!