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距離

(女去りし場合)

李箱




 白紙の上に一條の鉄道が敷かれている。此は冷へ行く心の図解である。私は毎日虚偽な電報を発信する。アスアサツクと。又私は私の日用品を毎日小包で発送した。私の生活はこの災地の様な距離に馴れて来た。






底本:「李箱詩集」花神社

   2004(平成16)年4月1日初版1刷

底本の親本:「李箱全集 第二巻 詩集」泰成社

   1956(昭和31)年

※本文末の蘭明氏による注は省略しました。

入力:坂本真一

校正:hitsuji

2021年10月27日作成

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