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散髮屋の夜

櫻間中庸




さんぱつやの 窓の月は

くさい髮の にほひがする

みゝずが 細々と泪の音をたてゝゐる

そんなに月がかなしいのかい

痩せきつた 俺のからだに

夏が 夏が

しんみりと重たい






底本:「日光浴室 櫻間中庸遺稿集」ボン書店

   1936(昭和11)年7月28日発行

入力:Y.S.

校正:富田倫生

2011年9月17日作成

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