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櫻間中庸




賣店の女の顏の明るさはアスフアルト敷くこの街の顏


行ずりに見し外人の瞳かも土曜の夕のそゞろ歩きに


客を呼ぶ馬車屋の笛のあわれさや逗子驛頭の冬のたそがれ


たたき賣るバナナ屋の聲寒寒と宵のしゞまを破りて流る






底本:「日光浴室 櫻間中庸遺稿集」ボン書店

   1936(昭和11)年7月28日発行

入力:Y.S.

校正:富田倫生

2011年9月27日作成

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