赤い集会を護り
赤いデモを導く
若さの誇りに輝く
真赤な腕章
党旗の下から
組合旗の蔭から
俺らの演壇には
燃ゆる 燃ゆる
俺らの胸は早鐘
俺らは血走る眼を注ぐ
「真赤な腕章」へ
「真赤な腕章」はビクともしない
細心に 大胆に
俺らの感情を護る
「真赤な腕章」の役目は重い
番犬共が耳打ち始める
ゆるんだ帽子の紐を締める
||弁士中止!
瞬間
「真赤な腕章」がグイと動く
||官憲横暴!
||横暴! 遣らせろ
俺らは総立になり
||解散!
街頭の俺らは勇敢だ
吠えかかる番犬共を
蹴飛ばし蹴飛ばしデモは進む
「真赤な腕章」の指す方向へ
「真赤な腕章」は頼もしい
圧しつけられ
搾り抜かれて
長い 永い間
鉄の如き辛棒で鍛えられ
噴火山の如き脳味噌から迸り
海の如き闘いから滲み出る
プロレタリアの感情は
「真赤な腕章」の心臓だ
真赤な布の腕章は
若さの誇りに輝く。
(発表誌不詳 『一九二八年プロレタリア詩集』を底本)