誰が 資格審査を反動政府に頼むだか?
結党は労働者農民の決心だ!
四月十日に胸の党員章を
労働者と農民を解散出来るか!
「合法」とは奴らのものだ
被圧迫民衆の生計は「非合法」だ。
幾人が横腹に泥靴を喰い肉を裂き
血にむせびつつ虚空を掴むだか······
警察の調書と暗黒裁判の判決書を
結党の焔もて焼きすてろ!
地主の倉と立入禁止の立札を
結党の焔もて焼きすてろ!
出兵要求権を兵卒の銃剣でくすぐる日まで
罷業権は血に塗れて進まねばならぬ。
若しも 政府の涙雨が降ったならば
油に滲むだ仕事着を焔の中に······
未だに党員証を破らぬ俺達の胸に
デモをたたみこむで結党大会へ||
(発表誌不詳 一九二九年七月戦旗社刊『一九二九年版日本プロレタリア詩集』を底本)