ええ、癪だな、畜生!
間抜けた汽笛なんか気にすることあねい。
じゃあ||行くぜ、阿母!
サーベルの四五本もへし折ってくるんだよ。
一八八六年より一九二八年まで
血ぬられた五月一日の顔を見ろ。
行け! 五月祭の真唯中||
空は青く、地上は赤き群衆の奔流だ。
清めろ!
十字路を驀進する俺らの行手を。
恐いのか! 兄弟
官服を踏んづけ、突破しろ!
轟け! 幾万の歌声||
響け! 強力な跫音||
ええ涙ぐんでる奴は誰だ!
兄弟! 小憎らしい程嬉しい日だよ。
(『戦旗』一九二八年五月創刊号に発表 同年七月全日本無産者芸術連盟刊『労農詩集』を底本)