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四季

槇村浩




春の神様陽気だな

天女の羽や夢御殿

梅、桃、桜、色々の

花を咲かせて楽しんだ

なぜ/\こんなに陽気だろ


夏の神様大おこり

はげた頭を光らして

春の神様追ひやって

雷さまがおきに入り

すきな遊びは夕立だ

なぜ/\こんなに怒るだろ


秋の神様やさしいな

風をそよ/\野に送り

七夕さまや天の川

銀のお月さんぬっと出る

なぜ/\こんなにやさしいだろ


冬の神様陰気だな

寒いこがらしお気に入り

いつもしぶい顔ばかり

なぜ/\こんなに陰気だろ

大正十一年四月二十一日綴






底本:「槇村浩全集」平凡堂書店

   1984(昭和59)年1月20日発行

※著者が、高知市立第六小学校三年生、四年生のときの作品。謄写版刷りの、同校文集「蕾」から、底本に採録された。

※底本は新字旧仮名づかいです。なお促音の小書きは、底本通りです。

入力:坂本真一

校正:雪森

2014年8月7日作成

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