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世相の一面

槇村浩




(一)「熊さん今日はどうしたか、朝から病気でお休か」

 「いや/\会社もこまるでネ、賃銀ね上げの怠業さ」

(二)「熊さん今日はどうしたか、又怠業ヂャあるまいネ」

 「イエ/\どうしてもう今日は、会社に者がありすぎて、

(三) とう/\こんなになりました、どこかによい口があったならどうか世話しておくんなさい」

 熊さん頭をかいて居た。

(一一・六・一四)






底本:「槇村浩全集」平凡堂書店

   1984(昭和59)年1月20日発行

※著者が、高知市立第六小学校三年生、四年生のときの作品。謄写版刷りの、同校文集「蕾」から、底本に採録された。

入力:坂本真一

校正:雪森

2014年9月11日作成

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