葩束を編みながら美しく羞むひとよ
夕べバルコンの影の跫音の言葉なら
はるかな愛情も匂ふでせう
★
梢に鴉の喪章はゐない***
新しいアアチの青貝路にペンキの響き
自転車で春の帽子がかけてくる
★
樹樹の梯子を登りをりして歌ふものたち***
花に飾られた日射しの緑のブランコの
優しい肩にのりあなたは空まで駈けあがる
★
雲がじぶんでドアをあける
光りにまじつて小鳥の声もおちてくる
やはらかい枝や影がぼくを支へる
●表記について
- このファイルは W3C 勧告 XHTML1.1 にそった形式で作成されています。