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白い独楽

仲村渠




白昼だから 秋だから 原つぱは白かつた

白昼だから 秋だから 空も白かつた

原つぱのまんなかでひとり

戸山学校の生徒が喇叭を吹いてゐた

赤いズボンはいて喇叭を吹いてゐた

白昼だから 秋だから 原つぱは廻つてゐた

白昼だから 秋だから 空も廻つてゐた

赤いしんが澄んで廻つてゐた

喇叭を吹いて廻つてゐた






底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩※(ローマ数字1、1-13-21)」国書刊行会

   1991(平成3)年6月6日第1刷

入力:坂本真一

校正:良本典代

2017年1月12日作成

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