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わが画

末吉安持




思はずも筆はしり

忽ちには成りぬ。

この時に涙ぞくだる。われながら

芸の力に泣きぬるか。


と見れば、あさましや、

をののきにくらむ。

むくつけきまだらけもの尾を曳きて

おもには君をゑがきたり。


やがては炉のうち

燃えながら且つ泣きぬ。

ああされど、偽らざりき、わが心

思ふはげにもなりける。






底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩※(ローマ数字1、1-13-21)」国書刊行会

   1991(平成3)年6月6日第1刷

入力:坂本真一

校正:フクポー

2018年8月28日作成

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