黒檀のみどり
葉末に、
そよ風ながう
滑りて、
自然の
魂塊藍に
薫りとぶ
真夏の
昼。
金糸雀にうまゐ
醒めて、
夢の世に追ひわびたる、
やわらぎの
霊の
華を
いま
紫陽花にみとめつ。
昨夜詩に
寝ね足らぬ
瞳細ういと
細う、
わが世
永久にかゝらばと、
おもひ入る、あゝ夢心地。
この
刹那のたましひを
黄金の
龕にひめて、
ひと日だにいつき得なば、
あゝ我ぞ詩のやさ
男神。
●表記について
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