つぶやきぬ。
『ああうたて「夢」を飾りし世の
宝手玉も、花も
薫陸も
有りのことごと朽ちはてぬ、
あはれ死なまし。』
またうめく。
『ああうたて、恋も、まことも、愛楽も
蒼蠅羽ならし飛びめぐる
腐肉にまとふ
温気のみ。』
ほと息づかひ。
けしきばみ、
『
男子とはたをやの髪の一一に
憑りては移る
風病ぞ。』
つと見ゆ、青きまなじりの
さびしき『ねたみ。』
●表記について
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