「親分、あつしはよく/\運が惡いんだね」
ガラツ八の八五郎は、なんがい
「大層
錢形平次はのつけからからかひ
「そんなこつちやありませんよ。近頃大評判の谷中の
「誰が?」
「あつしですよ」
「百文二百文の安富籤ぢやねえ、あれや
「その代り當れば千兩で、||一箱ありや
「
「當りませんよ、たつた一字違ひでね。||だからあつしは運が惡いつて言つて居るんで」
「富籤が當るより、
「斯うなると、罰でも宜いから當つて貰ひたかつたと思ひますよ。あつしの買つた富札の番號は梅の千五百八番でせう。ところが當り札は梅の千五百十八番ぢやありませんか。
「つまらねえことが癪にさはつたものだな、まア腹を立てずにその札を温めて置くが宜い。この先また梅の千五百八番が當り
「へツ、呆れたもので」
「ところで、千兩の當りは誰が取つたんだ」
「それがわからねえから不思議ぢやありませんか。感應寺で富籤の興行をしたのが先月の
「八五郎に言はせると、吉原の大門が締められる」
「罰の當つた野郎があるもんですね」
「千兩の當り札が賣れ殘つたといふこともあるだらう」
「ところが、今度の
「フーム、少し變だな」
平次も首をかしげました。火事で燒いたとか、紛失したとか、その屆け出さへないといふのは、如何にも考へられないことです。
それから三日目、八五郎は相變らずの調子で飛び込んで來ました。
「親分、大變ですよ。下谷
「誰がそんな事を言つた。お前の
「お山同心の大和田金三郎樣ですよ。廣徳寺前は上野のお山とはお掛りが違ふが、藤屋は寛永寺の御出入りで、ことに御
「成程」
「三輪の親分には、そんな
「餘計なことを言ふな」
平次は八五郎を
平次は途々八五郎の説明を聽きました。
廣徳寺前の藤屋といふのは、上野
これだけのことは平次も知つてをりますが、その藤屋の店に働いてゐる
「尤も清太郎といふのは、評判のよくない男でしたよ。藤屋の娘のお筆と
「まるで八五郎見たいだ」
平次は時々こんな半疊を入れるのでした。
「冗談で、||兎も角近頃は叔父にもすつかり愛想を盡かされて、遊ぶ金にも詰まり藤屋の遠縁で、奉公人代りに働いてゐる、お若といふ
八五郎は
そんな話をしながら、廣徳寺前の藤屋に着いたのはやがて晝頃。
中は舊家らしい頑丈な構へですが、思ひの外質素で、檢屍の役人を送り出したばかりの主人六右衞門と、老番頭の茂兵衞はそれでも
「これは、錢形の親分、飛んだ御苦勞樣で」
主人の六右衞門は五十前後、町人ながら一と
「飛んだ災難でしたね、||佛樣は矢張り二階で?」
「動かさない方が宜いだらうと言ふので其の儘にして置きました。でも御檢屍が濟んだからいづれ下に移してお
「へエ、へエ、斯うお出で下さいまし」
番頭の茂兵衞は六十を越してゐるでせう。小柄で
平次と八五郎は中の間から
清太郎の死骸はまだ其の儘、型ばかりの
「あれは?」
平次は振り返つて顎で指しました。
「お若と申します。||奉公人のやうにはしてをりますが、遠縁の掛り人で」
老番頭の説明するうち、八五郎は意味あり氣に眼をパチパチさせてをります。あれが殺された清太郎とワケのある女だといふ意味でせう。
「良いきりやうぢやないか」
二十一二の豊滿な女、色の白さと、表情的な眼と、唇の赤さだけでも、相當なものです。
「皆樣がさう仰しやいますが」
茂兵衞は商賣物を褒められたやうな冷淡な調子で、死骸の前に
平次は型の如く線香を上げて、簡單に拜んで横の方に廻りました。
「一應清めたのか」
「へエ、あんまりひどい血で、||それに刄物の始末もいたしましたので」
茂兵衞は辯解らしく言ひます。
清太郎といふのは二十七八の
「その刄物は主人の古い差料で、隣りの六疊の
老番頭はその意を迎へるやうに説明してをります。
「下手人は家の中の者ですね」
八五郎は横から口を出しました。
「夜中に聲か物音がしなかつたのか」
「私は梯子段の下に休んでをりますが、一向氣が付きません」
茂兵衞は辯解らしく言ふのでした。
「梯子は一つだけか」
「へエ、この二階へ登るには、中の間に寢てゐる私の枕許を通らなきやなりません。外に梯子も何んにもございませんので」
「
「御覽下さいまし、釘で嚴重に打ち付けてあります」
それは全く茂兵衞の言ふ通りでした。二階二た間の表格子は、全部嚴重な釘付で、人間のもぐれるやうなものではなかつたのです。
「すると曲者はお前の枕許を通つたことになるが」
「へエ、それが不思議でなりません。梯子段の下には私と小僧の定吉と二人寢てをりますが、昨夜一と晩、人間は
さうかと言つてこの老番頭には、色男型とは言つても、まだ二十臺の強健な清太郎を、一と太刀で刺し殺して、上から布團で押へ付けるほどの力があるわけはありません。
「お前の年配では、夜一度や二度は小用に起きるだらう」
平次は細かい事まで氣を廻します。
「へエ、一度は必ず起きます。大抵
「昨夜は」
「上野の
「
「いえ、中の間を出ると直ぐで||その間に曲者が二階へ登つて、清太郎さんを刺し殺して、二階から降りて逃げるなんて、そんな事は出來ません。手洗場の前を通らなければ、何所へも行けませんし、私が小用を足す間に丈夫な若い男を一人殺すなんて、そんな事が出來るわけはございません」
茂兵衞は平次の顏に浮んだ、うさんな色を見ると、
「それぢや番頭さんの外に
八五郎は妙なところへ口を出しました。
「飛んでもない、親分」
茂兵衞はすつかりあわててしまひました。八五郎が引出した結論は、あまりにも
「それぢや訊くが、昨夜一番遲く清太郎と逢つたのは誰だ」
平次は質問の
「||」
番頭の茂兵衞は口を
「お前は誰だ」
茂兵衞の後ろにゐる、色の淺黒い、
「へエ、手代の彌吉と申します」
三十男は臆病らしく、二つ三つ續け樣にお辭儀をしました。
「此處へ何の用事で來たのだ」
「佛樣を下へ移して、
「それは感心なことだ。が、
「へエ、へエ」
彌吉は又二つ三つお辭儀をしました。背の低い、
「昨夜一番遲く清太郎に逢つたのは誰か、それを訊きたいのだ」
「そんな事なら、家中の者が知つてをります」
「誰だ」
「旦那でございました」
「旦那?」
「旦那が
「その旦那の六右衞門が二階から降りたのは?」
「
「その後で誰も二階へ行かなかつたのか」
「へエ、それは確かでございます」
番頭の茂兵衞と手代の彌吉は口を揃へて斯う言ふのでした。
「ところで、清太郎を
平次は當り前のことを、平凡な調子で訊きました。
「あの通り女の子にチヤホヤ言はれましたから、隨分妙なところに敵をつくつてをります」
「例へば」
「さア、其處までは存じませんが||」
彌吉も具體的な話になると器用に身をかはします。
其處を宜い加減にして平次は、茂兵衞を案内に中の間から便所のあたりを一と通り調べました。
「下手人は矢つ張り番頭が小用に起きた間に、小僧の定吉の枕許を通つて二階に登り、清太郎を刺して逃げたと見る外はありませんね」
八五郎は追つかけるやうに言ふのです。八五郎でなくともこれは當然の
だが、實際に於て、そんな事が出來るでせうか。
「番頭さんの
平次は訊ねました。
「いえ、年は取つてをりますが、至つて早い方で、煙草三服ほどの間も床を開けません」
茂兵衞はもつての外の顏をするのです。
「するとお前の眼をのがれて、曲者が二階へ行つて來ることなどは、出來ないわけだな」
「そんな事は思ひも寄りません。へエ」
「今朝清太郎の死骸を見付けたのは誰だえ」
平次の問ひは
「小僧の定吉でございました。清太郎さんが何時までも起きて來ないので、定吉を起しにやると、悲鳴をあげて梯子段を轉げ落ちて參りましたので||」
「その定吉といふのは」
「へエ、私でございます」
十二三の典型的な
中の間を通つて便所までは一本
「
「そこまではどうも私にはわかり兼ねます」
老番頭は
「昨夜二人は逢つた樣子はないのか」
「さア」
「あの、私から申し上げても宜しうございませうか」
手代の彌吉は、何所かでこの話を聽いて居た樣子で、物蔭から顏を出しました。
「知つて居るなら話すが宜い。遠慮する筋合ひではあるまい」
「では申しますが、||私は腹の加減が惡うございまして、夕飯が濟むとすぐ番頭さんにお願ひして、自分の部屋に引下がらして貰ひましたが、それに氣が付かなかつたものか、清太郎さんとお若さんが、私の部屋の前で
手代の彌吉は、清太郎とお若の仲のよさに反感を持つてゐたものか、かなり突つ込んだことを言ひます。
「嘘、嘘、お前さんこそお孃さんを附け廻してゐたぢやないか。
さう言ふのは、掛り人のお若でした。お勝手に居て、ツイ彌吉の告げ口を聽いてしまつた樣子です。
「飛んでもない、私がお孃さんをどうするものですか。||あの時私は腹具合が惡くて便所へ行つてゐたのですよ」
「
これは完全に彌吉の敗けでした。お若の
「もう澤山だ。お若は清太郎と逢引したのも本當なら、彌吉がお孃さんを追ひ廻したのも、
「行きました」
平次の問ひに
「それは何時のことだ」
「旦那樣がいらつしやる前でした。||でも旦那樣が二階へいらしつて、
「その時梯子の下か、中の間には誰も居なかつたのか」
「誰も居やしません。旦那のお小言が始まると、店中の者は皆んな遠くへ逃げ出してしまひます」
お若は妙なところで、主人六右衞門の口やかましさを
この勝氣で猛烈で、遠慮のないところを見ると、平次はまだいろ/\の事を引出せさうな氣がしたのでせう。
「彌吉の部屋を見たい||案内はお前に頼む。八は外の者を皆んな店の方へ連れて行つてくれ」
「へエ」
平次に何にか
後に殘つたのは、平次とお若の二人。
「此處は彌吉どんの部屋ですよ。押入を開けて、
お若は先をくゞつて何にか手傳ひをする氣でゐる樣子ですが、平次はそんなものには目もくれず、
「いや、そんな物はどうでも宜い。實は人拂ひをして、お前にいろ/\の事を訊きたかつたのだ」
お若を疊の上に坐らせて、その前に
「でも、私は」
「何んにも知らないといふのか。||清太郎を殺した下手人の事を訊いてるのではない、お前と清太郎の仲が近頃どうなつてゐたか、それを先づ訊きたいのだよ」
「||」
お若は今までの激しい表情を
「昨夜、主人に
「え」
お若は
「で、主人は何を叱つたのだ」
「斯んな事は、申し上げて宜いのか惡いのかわかりませんが||でも、清太郎さんが可哀想ですから、皆んな申し上げませう」
「その通りだ。皆んな言ふのが、死んだ清太郎のためにもなるだらう」
「實は、清太郎さんは、叔父さん||主人の六右衞門||にこの間から千兩の金を返して下さるやうにと、
「千兩、||少し大きいな。そんな金を預けてでも置いたのか」
「いえ、
「富籤」
「清太郎さんは、この家から飛び出して、私と一緒に世帶を持つつもりでしたが、借金こそあれ、一文の
「||」
「富札代は私が出して、買つた札は梅の千五百十八番」
「えツ」
「默つて居れば宜いものを、正直者の清太郎さんは、ツイ富札を買つたことを叔父さんに打ち明けてしまつたのです。すると叔父さんは、||眞面目な町人が富札を買ふなどは、以ての外の心得違ひだ、お前のやうな人間に千兩の一番札が當る筈もないから、見す/\
「||」
それは實に驚く可きことでした。感應寺の富籤の當り
「清太郎さんもあまりの事に腹を立てて、いくら叔父さんでも主人でも、
「||」
「間もなく感應寺の富突き興行で、梅の千五百十八番が、千兩の當り籤と、その日のうちに呼賣りで知りました。清太郎さんはそれを聞くとカツとなつて、早速その千兩の金を叔父さんに出して貰ひたいと、掛け合ひを始めたのです」
「||」
「叔父さんも驚きましたが、今更どうすることも出來ません。||千兩と一と口にいふけれど、近頃藤屋の商賣も手違ひだらけで、立派なのは昔からの屋臺だけ、
「で、清太郎は何んと言つた」
「承知するわけはありません。||私といふものと、固い約束があつたんですもの。それに、清太郎さんも私も、今まで長い/\間、身内の者だからと言ふので、給金も貰はずに奉公人同樣に働かされて來ました。今更千兩の代りに私を捨てて、あのお筆なんかと一緒になる清太郎さんぢやありません」
「||」
「富突きがあつてから昨日まで、毎日々々
お若は思ひきつた樣子で、これだけの事を打ち明けるのです。
「それでいろ/\の事がわかつたが、すると主人||清太郎の叔父||が一番怪しいといふやうに聽えるがどうだ」
平次は突つ込みます。
「いえ、そんなつもりで申し上げたんではございません。私は||」
「よし/\、それはまアそれとして、お前は昨夜二階へ行つて清太郎と話して居て、主人が來たので驚いて隱れたと言つたな」
「え」
「その時何處へ隱れたのだ」
「清太郎さんの部屋の手前、梯子を上つたばかりの突き當りの六疊は、ガラクタを一杯入れて隱れるには都合の宜いところです」
「其所にはお前の外に誰も居なかつたのか」
「サア、氣が付きませんが、多分誰も居なかつたでせう」
「それだけの掛け合ひを聞いたところを見ると、お前が主人と入れ違ひに降りたと言つたのは
「え、でも話の見當が付かなかつたんですもの」
「誰か、それを知つて居るのか」
「主人の小言が始まると店中のものは
「彌吉の部屋を覗いたといふのは何時のことだ?」
「二階へ登る時と、二階から降りた時と、二度覗いて見ました。
「よし/\、いろ/\の事がわかつたよ。序に二階へ案内して、
平次はもう一度二階へ引返しました。
店から八五郎を呼び寄せて、平次は奧へ一と部屋づつ調べて行きました。
下女のお六といふのは四十年配の地味な女で、お勝手のことの外は何んにも知らず、
「お前は」
「筆と申します」
擧げた顏は眞四角で、眼が少し
「お孃さんですね、少し訊きたいことがあるが||」
「||」
廊下へ立つたまゝ、平次の
「昨夜彌吉がお孃さんを追ひ廻した||と、お若は言つてゐるが、本當ですか」
「いえ、そんな事はございません。彌吉はお腹が痛いとか言つて、自分の部屋へ引取つたと聞きましたが、それから一度も姿を見掛けません」
「でも、
「え」
お若は[#「お若は」はママ]消えも入りさうでした。
「言ひ
「ハイ」
「彌吉はどんな事をするのです」
「あの手紙をくれたり」
「||」
「清太郎さんはお若さんに夢中だから、當てにならない||と言つたり」
「その手紙はどうしました」
「お父さんに見られると
「で、お孃さんは清太郎をどう思ひます」
「||」
お筆は默り込んでしまひました。
「彌吉は」
「私本當に困つてしまひました」
「では、もう一つ、清太郎がお父さんに千兩の金を出せと言つてゐたことは知つてゐるでせうね」
「え、薄々母から聽いてをりました」
「
「母が心配してそつと樣子を見て來いと申しました」
「で?」
「梯子の下に隱れて、二階の樣子を見てをりましたが、||聲はよく聽えませんでした||でも||」
「お父さんが行く前に、二階へ登つた人はありませんか」
「え||でも」
「でも、何にかあつたので?」
お筆の調子に、平次はフト
「お若さんが二階へ行つて、間もなく、誰かもう一人二階へ行きました。その後から父が行つて、清太郎さんと大きな聲で話してをりました。||父が二階から降りると、その後から直ぐお若さんが降りましたが、それつきり何時まで經つても||降りて來ないので、私は
「すると二階に誰か||お若が降りた後まで殘つて居たのだな」
「それはよくわかりませんが||」
お筆は
「親分」
「何んだ」
「下手人は主人でなきやお若ですね」
お筆の後ろを見送りながら、八五郎は妙なことを言ふのです。
「主人から千兩貰つて、清太郎と一緒に世帶を持つといふ矢先に、お若は清太郎を殺したといふのか」
「?」
「お若が二階から降りた後に、まだ二階に一人殘つて居たのは誰だ」
「番頭の茂兵衞ぢやありませんか。あの男なら何時でも二階から降りて、
「お前は店へ行つて、主人が二階へ行つて清太郎と話してゐる時、店に姿を見せなかつたのは誰と誰だか、念入りに訊いて來てくれ」
「へエ」
「俺はその間主人に逢つてゐる」
平次は
「いや、私が口やかましく言ひ過ぎました。清太郎の道樂を叩き直してお筆と
六右衞門は
「親分わかりましたよ」
其處へ飛び込んで來たのは八五郎でした。
「あの時店に居なかつたのは誰だ」
平次はそれを受けて屹となります。
「皆んな居ましたよ」
「何んだと」
「皆んな顏を揃へて、二階の
八五郎が遠慮なく張り上げるのを、主人の六右衞門は苦笑ひをして聽いてをります。
「彌吉は? 彌吉も店に居たのか」
「いえ、彌吉は
「よし、その腹痛が
平次は疾風の如く店へ行きました。續く八五郎。其處にマゴマゴして、追ひ詰められた鼠のやうに、逃げ路を搜して居た彌吉は、ガラツ八の手に
× × ×
「さア解らねえ。彌吉は下手人だつたんですね、それでは何時の間に二階を逃げ出したんです。え、親分」
その歸り路、八五郎はたまり兼ねて斯う訊くのでした。
「彌吉は清太郎とお若があの家を出さへすれば、お筆を
「其處まではわかりますが」
「あの晩、お若が二階へ行つた後でそつと二階へ行き、隣りの部屋に隱れて居たのだらう||腹痛で寢て居た筈の彌吉が、あの時の事をよく知つてゐるので、
「?」
「お若も主人も
「二階から逃げ出したのは?」
「それが大事だ||彌吉はぜんそく持ちの番頭の茂兵衞が、夜中に一度きまつたやうに小用に起きるのを知つて居た。そこで、その
「なんだ、そんな事ですか」
「そんな事でも思ひ付いた彌吉は、馬鹿にならない惡智慧のある男だよ」
「それを見破つた親分は?」
「いや、飛んだ骨を折らせた」
晩秋の夕暮でした。二人はそんな事を話しながらブラリブラリと神田へ||赤トンボが八五郎の野暮な