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頂上

仲村渠




植物はとほくけぶる外輪山の緑のいろ。

ここはたゞ白昼

玉座の怒る噴煙である。

生ものとては火口に飛び交ふ燕のむれだ

断崖の影にかくれて

燕窩にならぶ幼い卵だ飛翔の夢だ

お、晴れるぞ霧が。

海をしたがへ

雲をとばし

てつぺんに僕を飾つてひらく山岳!


※(蛇の目、1-3-27)伊豆大島三原山にて






底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩※(ローマ数字1、1-13-21)」国書刊行会

   1991(平成3)年6月6日第1刷

入力:坂本真一

校正:良本典代

2017年6月25日作成

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