ヒュイスマンスの小説『さかしま』の主人公ジァン・デ・ゼッセントが愛吟、マラルメ作『エロディヤッド』の斷章
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いくたびも、いく時も、我が夢を
なんぢが底深き氷の
われは
しかも、あゝ、
亂れ散るわが夢のはだか身を知る
エロディヤッド
げにはてしなく埋もれて、
または
つゞいては、このわが若き
末恐ろしき
さて
めづらしや、人間の
わが打掛の花の
さらば豫言せよ、おのづから女も
肌ぬるき
星の如く
われは
われは處女 の荒 まじさを愛す、
ねがはくば、この髮の毛に浮ぶ夕ざれば
今ぞ限と見ゆる
また孤獨なるその
わが夢つねに
わが心、世に珍らしく澄みわたりゐて、
無爲
周圍の
眠るに似たるそが靜寂のおもてなる、
めのと
悲しや、姫ははかなくなり給ふか。エロディヤッド
まて、そのまへにこの窓の戸を閉ぢよ、
厚きぐらすを透きて、セラフ
その
見よ夕波の
たゆたひて、知らずや、かしこ憎しみの眼をもて
われはそこへ行かむ。
ともしびをまたも挑 げよ、
をさなまた············
めのと
さてまたエロディヤッド
さらば、さらば
噫 わが唇の裸の花は
何事かえ知らぬ事の近づくよ、
おのが
幼き年の滅びゆく吐息を