寝室とも書斎とも名附け難い私の室
ここで私は私の好きな事をする
私の家は小さな家である
北国のヌタプカムシペ山脈の畔である
上川平野の隅であるチュウベツを言う
アイヌ人種が五十年の昔
鹿を追い熊を追い
狐を追った処である
今まだ太古の伝説鮮やかなる
殖民地の一小邑である
私はここに住んでいる
そして小さな安らかな新しい材木の香のする家に
父母があたえた、ささやかな幸福を
ひたぶるに恋して
ゆっくりと味わっている
ああ私のささやかな小さな家よ
ここは私の父母達が作って呉れた家なんだ
私はここで夢を見る
幻を見る
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