おお我胸の苦しさよ
幸福は失われた
おおそうだ、幸福は
輝き渡るかなたの山より
朝日の出づると共に
潮のように寄せて来た
然し幸福は私の手元にいる事を拒んだ、又引潮のように
夕べには次第々々に失われていった
私は考えている
失われた幸福の
私を避けた理由を
私は青ざめている
不幸にみいられて
苦しい事もかなしい事も
みんな私をなやませて
一息の安らかな
呼吸さ
私は自分自身で
幸福に強い鞭をあたえた
幸福よ、私のために
大きな幸福であってくれと
そして私は旅に出ようと考えた
遠いかなたに、幸福の泉がゆるやかに湧きあがっていると思ったから
けれども私はゆかれなくなった
そこで私のからだは
前へも後へもゆかれず
幸福は失われ
苦しいなやましい胸を抱いて
いるばかり||
ああ私は幸福と闘った
そして敗北してしまった
今はもうあの皇帝の末路の様に
あわれなひとりになってしまった