街の子は今日も遊んでいた
そしてふと子供の一人が大声で言った
「やあい キョウサントウ!」
いい声だそしていい言葉だ 空間は完全にこの声に貫かれた
「やあい キョウサントウ!」
鬼ごっこで仲間の一人が捕ったので思い出したこの言葉
だが、これはただの言葉でない、
街の子が言うほどの遊びながら呼ぶほどの
捕まったので思い出したほどの言葉なれど
この時代にはこの言葉に総身の毛をよだてている人間がいるのだ
その時ふと。
一人で通りかかった男が潜っている党員で
胸の中に何を考えたか
街の子はそれを感ずく筈もない
そして又 もう一度
「やあい キョウサントウ!」
街の子は面白い言葉を発見したつもりで叫ぶ
そしてやがて奪われた子を奪い返しに
猛然とはげしく突かかってゆく