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光よあれ

今野大力




常夜とこよの世界に生命ありて

うごめける時

光りは東方より、忍びやかに来りて

輝き初め

万物その己の存在を認め

歓喜の頂点に至れるは

いかに至上の盛事なりしか

我等は光りの海に泳げる魚達なり

光りなくして

死を思う生命なり

光りよあれ、而して

永久に我等を愛でよ······






底本:「今野大力作品集」新日本出版社

   1995(平成7)年6月30日初版

初出:「旭川新聞」

   1924(大正13)年7月21日

入力:坂本真一

校正:雪森

2015年3月31日作成

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