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倦怠者の持つ意志

中原中也




タタミの目

時計の音

一切が地に落ちた

だが圧力はありません


舌がアレました

ヘソを凝視めます

一切がニガミを帯びました

だが反作用はありません


此の時

夏の日の海が現はれる!

思想と体が一緒に前進する

努力した意志ではないからです






底本:「新編中原中也全集 第二巻 詩※(ローマ数字2、1-13-22)」角川書店

   2001(平成13)年4月30日初版発行

※底本のテキストは、著者自筆稿によります。

※()内の編者によるルビは省略しました。

入力:村松洋一

校正:きゅうり

2020年10月28日作成

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