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倦怠に握られた男

中原中也




俺は、俺の脚だけはなして

脚だけ歩くのをみてゐよう||

灰色の、セメント菓子を噛みながら

風呂屋の多いみちをさまよへ||

流しの上で、茶碗と皿は喜ぶに

俺はかうまで三和土タタキの土だ||






底本:「新編中原中也全集 第二巻 詩※(ローマ数字2、1-13-22)」角川書店

   2001(平成13)年4月30日初版発行

※底本のテキストは、著者自筆稿によります。

入力:村松洋一

校正:きゅうり

2019年7月30日作成

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