誰かが自分を見ている。

「さあこんどは安宅ですよ奈尾さん、殿さまの弁慶は江戸ではたいそうな評判だそうですから、よく気をつけて拝見しましょうね」
叔母がそう教えてくれた。奈尾は黙ってうなずいたが興味はわかなかった。もう三番ほど能役の
||どなただろう、兄上のお友達かしら、奈尾を知っていらっしゃる方かしら。
見覚えのある人を思いだしてみた。岩田半三郎の顔も想像したが、どれもいま見られている感じとはぴったりしない、その人たちなら見るにしてももっと違った見ようをするであろう、たしかに知らない人である、そしてそれは無礼なことなのだが、奈尾には少しも怒りの感情が起こらなかった。むしろあやされるような
安宅が終わると席がざわざわとくずれだした。多くの人たちが手洗いに立ち、どの席でもにぎやかに弁当をひらいた。奈尾はそっと振り向いて、このあたりと思うところを眼で捜した、するとこちらへ会釈をする者があった、ちょっとどきっとしたが、それは岩田半三郎であった。兄の市蔵や藤巻三之助や池田伊兵衛など、いつもの仲間が四五人いっしょにいた。奈尾は半三郎の会釈を気づかない風によそおってそらしてしまった。
||たしかに、あの人たちではない。
能はそれから二番あって、婦人たちはお城をさがることになった。それからは
「あなた今日はお行儀が悪かったのね」叔母は外へ出るとすぐにこう云った、「おちつかなくて脇見ばかりしておいでじゃないの、ああいう席ははじめてだろうけれど、もっとしゃんとしていなければおかしいことよ」
「お能って退屈なものだわ」奈尾はこうこたえながら、顔が赤くなるのをおさえられなかった、「あの声を聞いていると眠くなってしまうの、がまんするのに困ってしまいましたわ」
「あなたにはどこかに
口数の多いうわ調子な、云うあとからすぐに云ったことを忘れてしまう叔母だ。奈尾は聞きながしにして、はな紙を出そうと思い、左の
叔母はすぐ帰ると云いながら、ばあやのそのと長いこと話しこみ、日の傾いたのに驚いてあわてて座を立った。||袂に火でも入れているような気持で辛抱づよく待っていた奈尾は、叔母が去るとすぐに居間へはいり、その結び文を解いて読んだ。
||今宵十時よりお庭の
新古今からでもとったらしい
むろんそれは長い時間のことではない、奈尾はすぐに身震いをして眼をあけた。罪を宣告するように叔母の言葉が思いだされたのだ||あなたにはこわいようなところがある、お祖母さまに似たのかも知れない、気をつけないとあぶない。······叔母は父のただ一人の妹である、数馬五郎左衛門という五百石の大寄合へ
花を見ても美しい衣装を見ても満足しない眼、いつも途方もない遠いところを見ているような眼。叔母はそう云った。自分ではわからないが、そんなところがあるかもしれない。小さいときから現実の自分とは別に、本当の自分がどこかに生きているような気持をときどき感じることがあった。それは
||さあ早くおいで、なにを迷っているんだ、早く来ないと取り返しのつかないことになるよ。その声はこういう風に呼ぶ。早く早くさあ、そのまま出て来ればいいんだよ。
奈尾は今じっと反省してみる、自分のこういう性分は本当にあぶないことかも知れない、婚約者があるのに、袂へ入れられた見も知らない人の文を隠れて読むなんて、普通の娘ならこんなことはしないであろう、すぐに親へ告げるか、読まずに裂いて捨ててしまうに違いない、||奈尾は持っていた文を裂こうとした。けれどもそれより強い感情がそうさせなかった。ためらっているうちに足音がして、「奈尾さま」と、ばあやの呼ぶのが聞こえた。
「はい、ばあや、ここよ」
彼女はそう答えながら、手文庫の中へその文をしまった。「旦那さまのお帰りでございます」
ばあやはこう告げて玄関のほうへゆく、奈尾は片手でそっと手文庫の蓋を押え、五拍子ばかり息をひそめていた。
父は
客間の障子には明るく燈がさしていた、夜空は暗く、一つの星も見えなかった。寝間をぬけ出た奈尾は、庭の片隅にある
「奈尾は躯のぐあいが悪いんじゃないのか、四五日こっち顔色も冴えないし、なんとなくぼんやりして精がないようにみえるが」
兄の市蔵がそう云って眉をひそめた。奈尾はじっくりと振り返った、そして
「十八日までにあと六日しか残っていませんわ」
市蔵はその意味を悟るとひどくこたえたような眼をした。それから寄って来て、妹の髪の毛からなにかをつまんで取った、なにもついていたわけではない、単純ないたわりの表現である。
「知っているだろう、岩田は温厚ないい人間だ、心配することなんかなにもありはしない。ばあやもついてゆくんじゃないか」
「いいえ、ばあやには来てもらわないわ」奈尾はそっと首を振った、「そんなことではないの、お兄さまにはおわかりにならないことよ」
「そうだろうけど、||それでも心配だよ」
奈尾は笑いながら兄の手をそっと
「大丈夫よお兄さま、あちらへいらっしゃいまし、本当はただ気がふさぐだけなんですから、おんなって、||おかしなものだわ」
その夜もまた奈尾は寝間からぬけ出ていった。うす月の光を吸って、合歓木の花が夢のようにおぼろに夜空を
「あなたはまた来てくださいました、私はあなたの足音が、
男は深い嘆息をもらした、それから奈尾がなにか云おうとするのを恐れるもののように、臆病な哀願の調子でこう続けた、
「いいえなにもおっしゃらないでください、私は自分を知っています、私は卑しい無能な人間です、こうして名も知られず姿も見られないからこそ、あなたにものを申し上げることが出来るんです、私はこの世に生きるねうちのない人間です、生まれて来ないほうがよかったと、どれほど考えたかしれません、あなたに御想像がつくでしょうか、人間が自分を生まれて来ないほうがよかったと考えるなんて、||けれども今は違います。私はあなたのお姿を見ました、こうしてあなたに話すことができる、はじめて私は生きて来たことを、自分が生きていることを神に感謝しました」
男のささやきはおよそ四
「お手をとは申しません」男はやがてささやきの哀訴をした「せめてお袖の端に触らせてください、あなたが私を怒ってはいらっしゃらないということが知りたいのです」
「いいえお寄りにならないで」奈尾はおののくように云った、「わたくしここへまいるだけで精いっぱいなのです、これだけでさえ、もし人に知られたら」
「ああそのあとをおっしゃってはいけません、私はよく知っています、あなたがもうすぐお
「人が来ます」奈尾はこうさえぎった、「兄かもしれませんわ、おいでになってください」
話しごえと足音がこっちへ来る。垣根の外から男がささやいた。
「あすの晩もういちど、どうかもういちどだけ」
忍び足に去ってゆくのを聞きながら、奈尾は合歓木の幹に背をもたせ、
「岩田はまだ来ないね」池田伊兵衛のこう云うのが聞こえた、「おれより先に来ているはずなんだがね、||いい月だ、
彼らが席を設けているうちに、植込みの蔭を伝って、奈尾は家のほうへまわっていった。すると前庭のところで岩田半三郎に会った。彼は急いで来たとみえ、珍しく息をせいていたが、奈尾を見ると立ちどまって声をかけた。
「ああ、あなたもいらっしゃるんですか、今夜は」
奈尾はふしぎな
「お待ちしていましたの、どうぞおつれくださいまし」
「そんな薄着でいいのかな」半三郎は包むような眼で見た、「もうすぐ夜露がおりますよ」
「だって、そんなに長くはおりませんわ」
奈尾はとつぜん浮き浮きした声になり、つと自分の手を半三郎の腕にからんだ。
「さあまいりましょう、きれいな月だわ」
夜宴の席は奈尾を迎えてにぎやかになった。ばあやも
「お庭に合歓木を植えましょう、ねえ」奈尾はこう半三郎にささやいた。
「そして花の咲くころにはわたくしたちもこのように宴げを催しましょう、わたくしたちがお爺さんになりお婆さんになったら、誰も招かずに二人だけで静かに宴げをいたしましょう、||ねえ」
「お望みならすぐにそうします」半三郎はそっと笑った、「けれどもまだ結婚の式もあげないうちから、爺さん婆さんの話は早すぎるでしょう」
奈尾の眼はうっとりと夜空を見ていた。耳のすぐ側であの声がささやいていた。||あすの晩もういちど、どうかもういちどだけ。
六月十八日に奈尾は岩田へ輿入れをした。椙原は八百五十石の
「それは高慢というものよ奈尾さん、そんなことではすみませんよ、来てくだすった方たちみんなを
「もうわかったわ叔母さま、わたくし
「それはお客さまを
「それではほかのかたがたになお失礼だわ」奈尾は平気で首を振った、「もうたくさん、わたくし厭なの、厭なの、厭なの||」
ばあやは十日めまでいたが、持って来た衣装や道具も片つき、奈尾が岩田家の召使たちに慣れ始めたのをみて帰っていった。||岩田には三郎左衛門という隠居した
「来年はあぶないが再来年は咲くそうだ」彼は奈尾にこう云った、「そうしたらひとつ趣向を凝らして夜宴をするかね」
しかし奈尾はまったく別のことを考えていた。
あすの晩もういちど、||そういわれた夜は雨であった、そのうえ嫁入りじたくのことでばあやにおそくまでつかまり、とうとう庭へ出ることが出来なかった。岩田へ来てからはあわただしい日が続いて、夏のうちはふと思いだす程度であったが、秋風の立つころになって生活もおちつき、根づいた合歓木の葉が哀しく枯れだすのを見ると、しばしばあの夜のささやきの声が思いだされ、あやしく胸のときめく時間がかえって来た。
||あの夜あの方はひと晩じゅう雨にぬれて立っていらしったに違いない、そうだ、その次の夜もその次の夜も、きっと······。
その想像はあざやかになまなましく眼に描くことができる、すると水を吸いあげる草花のように神経がめざめ、動悸が高く緊張して打ちだし、筋肉にこころよい
良人は奈尾の変化に気づいたようであった。しかし娘じぶんからの性質を知っているので、くどくきいたりことさらいたわったりする態度を控えているようにみえた。召使たちもいつか不安そうなおどおどした動作になり、なるべく奈尾の前から逃げていようとした。||これらも気の毒というよりも退屈で、暗くもの哀しく、いらいらと満ち足りない日が息苦しいほど緩慢にたっていった。
年が明けて二月に、奈尾の亡母の七年忌があり、七日ほど椙原の家に滞在した。三月にはいって間もなく兄の市蔵が結婚し、ついで奈尾自身が風邪で十日ほど寝た。もちろんたいしたことではなかったが、このあいだにだいぶ見舞いをうけたり、手紙や贈り物をもらったりした。もうほとんどなおってからのことである、「
||合歓木をお植えなされ候ことわが身のいのちを覚えそろ、御いたつきの趣き承まわり及び候より、夜々、合歓木の樹蔭にて
文字ではなくそのままあのささやきの声であった。奈尾はそれをまざまざと耳で聞いた。それからの時間をどう過ごしたか覚えていない、夜になって、良人も召使たちも寝てしまい、家じゅうがしんと鎮まりかえったとき、奈尾は寝所をぬけて庭へ出ていった。春ではあるが夜気は冷え、あやめもつかぬ闇であった。まわってゆくと隠居所の障子に
「ああ来てくださいましたね、やっぱり」からたちの
奈尾はわれ知らず合歓木の幹によって身を支えた、全身がしびれて、そのまま倒れるかと思えたのである。ささやきは続いた。
「あなたはゆるしてくださいますね、こうしてまた私がお会い申しに来ることを、あなたに会うことの出来なかった一年、私がみじめで生き
言葉の意味はほとんど理解しなかった、その必要もなかった。舌のさきだけで語られるささやき、思いをこめたその調子が奈尾を酔わせ云いようのない恍惚感にひきいれるのだ。
「幸福をこわさないようにしましょう、五日めの夜ここでお待ちしています、五日めごとに、お願いです、来てくださることを信じていますよ」
その明くる朝、寝所から起き出た奈尾の、生き返ったように元気な、さえざえと明るい顔に半三郎は驚きの眼をみはった。
奈尾は熟睡するようになり、眼に見えて快活になった。なおざりにしがちな良人の世話もまめまめとするし、召使たちにも笑顔をみせた。ただ一つ欠けていた夢が与えられたのである、日々はもう退屈ではなかった、いつも身内に生きる歓びが感じられた。||五日めごとのささやき、それが平板な灰色の生活をいやしてくれる、躯じゅうの神経に火を放ち、しびれるように感覚を陶酔させてくれる。もちろんいかなる恋もそこでとまっていることはできない、いつかは危険の近づいてくることを、奈尾はようやく感じ始めた。
||そのとき自分はどうしたらいいだろう、拒みとおすことができるだろうか。
四月の中旬を過ぎて、七たびめの夜のことであった。男はいつものように綿々とささやき続けたのち、自制のちからの尽きたような調子で、このまま耐え切れなくなったと訴えた。
「それ以上なにもおっしゃいますな」奈尾はおびえたように身震いをした、「さもなければわたくしいってしまいます」
「あなたは私に死ねと云うのですか、私に
「あなたは出来ないことをお求めなさいますわ、わたくしもうなにも伺いません、そんなことをおっしゃるのでしたらもうここへもまいることはできません」
「待ってください。ああいかないで||」
しかし奈尾は足早に去っていった。
からたちの生垣の外で、男はじっと耳を澄ませていた。けれども遠く去った足音が、そのまま戻って来ないのをたしかめると、舌打ちをしながら生垣を離れた。
「二度と来るな、世間へは云わずにおいてやる、帰って自分の顔をよく見ろ」
男は
半三郎はもぎ取った刀を提げたまま生垣をまわってゆき、
問題はそれだけであった。半三郎は三度まで彼らの側に身をひそめて、会話のなかにその
「たしかにそのほかに方法はない」眉をしかめながら、半三郎はこう
奈尾は熱を病むような日を送った。男の切迫した情熱、
||決してもう庭へはゆくまい、決して。
追い詰められた者のように、ただそこからのがれようともがいた。けれどものがれることは出来ない、毒の快楽はそれが毒だとわかっているところにある。五日めが来ると血が騒ぎだした。おさえようもなく不安な、けれどぞっとするような歓びが身を包んだ。
||いいえ庭へはゆくまい、どんなことがあっても、こんどあの人に会ったら、それで自分は破滅してしまう。宵のうちまでこう思い続けた。しかし、それが不可能であることはわかっていた。奈尾は十時になると寝所をぬけだしていった。||雨もよいの暗い夜であった、隠居所の窓も燈が消えて、樹立のあたりでは虫の
「ああやっぱり||」からたちの生垣の向こうで、男の低いささやき声が起こった、「やっぱりあなたは来てくだすった、私がどんなに苦しんだかおわかりでしょうか、どんなに苦しんだか」
奈尾はわなわなと身を震わせた。
「わたくしがまいったのは」彼女はけんめいにこう答えた、「ただあなたにお断わりするためだったのです、わたくしこれ以上もう」
「おっしゃらないでください」ささやきは哀願の音をおびた、「私が悪かったのです、私はあの夜どうかしていたのです、あんなことを望んではならないと初めから知っていて、つい愚かな情に負けてしまったのです」
「あなたは間違っていたとお思いですの」
「こんなに美しい恋を」と、ささやき声は歌うような調子になった、「なんのためにこわすことがあるでしょう、あなたはそこにいらっしゃる、私はこうしてここにいます、私が胸にあふれる思いを語るとき、あなたはそこにいて聞いてくださる、||私たちのあいだには現実の壁はあるが、お互いの心を隔てるものはなにもありません」
「ああおっしゃって、おっしゃって」奈尾はうっとりと眼をつむり、酔ったように合歓木の幹へ身をもたせた、「どうぞ今のようにおっしゃって、わたくしそういうお言葉で聞きたかったのですわ、どうぞおっしゃって||」
「そうです、これが私たちの恋なのです、ここには
頬に涙の流れるまま、奈尾はこの時間が永久に続くようにと祈っていた。危険の去ったことに疑いはなかった。五日めごとに、男はこれまでになく美しい言葉で愛をささやく、歌のように絵のように心の思いを語る。しかしそれ以外のことは求めなかった。||奈尾はよく眠り、満ち足りた快活さで家の中を明るくした。秘めたる歓びが、謝罪のかたちで良人に酬われる、半三郎が戸惑いをするほど、奈尾の愛情は強くなっていった。
こうして季節は
「来年になったら、この合歓木は」こう男が云った、「||私たちを夢のようにおぼろな花笠でおおってくれるでしょう······」
来年になったら。奈尾はふと眼をあげた、いまはまだ花期には早いのに、どうして今年咲かないことがわかるのだろう、そう思ったとき奈尾はああと口を押えた、眼に見えぬ手で躯を真二つに裂かれたような、非常な
||まさか、まさかそんなことが。
彼女は全身を耳にしてささやきの声を聞いた、舌のさきだけで語るごく低い、かすかな声である。生垣を隔ててからくも聞きわけられるだけだ、しかし心をとめて聞けば隠しようのない抑揚に気がつく、言葉の切り方にある癖もその人のものだ。奈尾は喪心したように合歓木の樹蔭をはなれた、ほとんど夢中で、よろめきよろめき家に帰った。
寝間の夜具の上に坐り、眼をつむって初めからのことを思い返した。||そうだ、椙原の家の庭で夜宴のあったとき、あの人は誰よりも遅れて、それもあんなに急いでかけつけて来た。あの人は奈尾をよく知っている、奈尾になにが必要だかということも······あの人は喜んで合歓木を植えてくれたではないか。同じ家に寝起きをしていて、五日めごとの庭の忍び会いを気づかないはずもない。
||お祖母さまに似たのね、気をつけないとその気性はあぶなくってよ。
こう云った叔母の懸念を、あの人はそれ以上によく理解してくれたのだ。||垣根の外のささやきは良人であった。奈尾がそこまで考えたとき、廊下に忍び足の音が聞こえ、良人の寝間へ誰かが入った。
奈尾は震えながら立って、
「||どうした、まだ寝なかったのか」
微笑をうかべた温かい眼である。なにもかも知っている眼だ、奈尾の心のどんな片すみをも知って、しかも柔らかく包んでくれる眼だ。奈尾は頭から足の爪尖まで赤くなるように思い、
「あなた、······あなた、||」
「そんな声をあげて、向こうへ聞こえるじゃないか」半三郎はそっと妻を抱いた、「どうしたんだ、なにを泣くんだ」
「申し上げてもいいでしょうか」
奈尾は激しく頬を良人の胸へすりつけなかば笑いなかば泣きながらこう云った。
「申し上げてもいいでしょうか、わたくしがあなたをこんなに愛していることを||こんなにこんなに愛しているということを······」