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巌頭の感
藤村操
悠々たる哉
天壌
(
てんじょう
)
。
遼々
(
りょうりょう
)
たる
哉
(
かな
)
古今。五尺の小躯を以て此大をはからむとす。ホレーショの哲学
竟
(
つい
)
に何等のオーソリチーを
価
(
あたい
)
するものぞ。万有の真相は唯一言にして
悉
(
つく
)
す。曰く「不可解」。我この
恨
(
うらみ
)
を懐いて煩悶
終
(
つい
)
に死を決するに至る。既に巌頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし。始めて知る、大なる悲観は大なる楽観に一致するを。
底本:「現代日本記録全集 16 青春の記録」筑摩書房
1968(昭和43)年11月25日初版第1刷発行
※底本編者によると思われる本文末の解説は省略しました。
入力:かな とよみ
校正:sogo
2019年4月26日作成
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