なが
われは知らず、
われを
孤獨に、絶えず
われには、未來もなく、屋根ももはやあらじ。
われはひたすら恐るなり、家も、日も、年も、
汝がためにわれの苦しみし······
われをとり
汝を見、心ちよげに汝の見ゆるときすら、
汝がうちなる何物かはわれを棄ててやまず、
そこに
汝は去り、われは
日に
口うごかして、その影を
蝶は飛び立つてひらひら······
汝は去りゆく、なつかしき船よ。汝を
海は
されども、此の世の重き
わが靜かなる廣き港に。
みじろがずにあれ。汝がせはしげなる
汝が身ぶりは、
わが心のそとに出づれば、
わが
わが
わが
そはガラタのゆふべか、アルデンヌの森か、
あるひはまた印度の
ああ、汝が飛躍、汝が出立に胸
われの手にてはもはや汝をこの世に止め得ずなりしとき、
われは思ふ、やがては汝にも襲ひかからん
快闊にして、心
王者のごとくにすべての希望を意のままにせし汝、
汝もまた遂にはかの
野を、水を、時間を
明瞭なる一點として、われは見る、
孤立せるピラミッドに似て、何か
汝の小さき墓の立てるを。
されど、悲しいかな、その墓のかなた、
汝の最後に往きつく先はわれには見えず、
汝を
汝を
汝は其處にて死してあらん、かのダビテの[#「ダビテの」はママ]
槍投げするテエベびとの死すごとく。
あるは海べの博物館にて、その灰の目方をわが
||われは
そが
そのとき、それら遺骨をうち眺むるわれとても、
すでに死者と
わがしなやかなる身の、かかる骨に化するは、
われはかかる恐ろしき暗き運命をも
われはそれらの底なき穴の
されど、わが生の悦びたりし
わが孤獨の
ナイル河のごとく、わが心の
神祕なる王國を汝の手にして
あたかも打ち負けし王子のおのが劍を與ふるごと
ものいはずしてわれの
絶えまなく
みづからの姿を
わが夢も、わが苦しみも、わが悦びも、すべてうち
われの向ひてゐし水の流れ、汝よ。
汝もまた、運命に引き入れられて、
かの痲痺したる灰色の群れの一人となりて、
肩に首をうづめしまま、佇みてゐるほかなきか、
いたく
氷よりも冷たく、目も見えず、耳も聞えず、
宇宙の卵のうちに
汝はにがき蝋になれかし! さらば、親しげに寄りくる
蜜蜂もすみやかに飛び立たん。
それら亡靈どもの間に無氣力に立ちまじりて
彼らと
アンドロマク、
人びとの
わがいとしきものよ、われはわれを
又、王女らのもてるにも似し、わがはかなき
いたましき死より汝を隔つる
炎とすらもなりえぬ我ならずや。
されども、生を超ゆるものはすべて過ぎゆかざれば、
われは夢む、この暮れなんとする夕空の下に、
汝のもはや其處より出づることなき
時間と空間との永遠を。
||おお、春のごとく美しかれ。雪のごとく
大いなる
すべての
絶えず