顫へては
何処へか
咽び入り
跡かたもないメロデイよ、
淡蒼い影を
揺かす
おまへの指は絶間なく
咽び入り、
しなやかな幻にとり
縋る。
真白い指の王国は
恣まな圧制を
虐げの歌を
掻き鳴らす、
薄明りの上に輝いて
裂けて死ぬ光りのなげき。
けぶりのやうな明るみへ、
秘密を探る指の白よ、
[#「白よ、[#改行][#改行]」は底本では「白よ、[#改行]」]四阿のにほひと
色彩に
埋められて、
私の心は幾度も幾度も生き死ぬ。
●表記について
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